今年の3月に出演させていただいた映画のポスターデザインをいただいた。
明治に浅草興行界を支え表舞台には名前の残らなかった人の物語だ、主人公を一文字で表すなら「漢」らしい。
草食系男子、タイムスリップ、明治初期の浅草、芸子の素顔、それくらいの情報しか今はなく実はまだ試写を見てもいない、公開は12月になるそうだ。
見ていない映画を紹介したいのは、出資している個人の心意気がまさに漢気そのものだからだ。
ある日こんな映画を作りたいと制作費を提示されたその人は高校の後輩ならばとつくばに映画制作会社を立ち上げる、その人も映画には興味があったらしく、スタッフを集めるところからスタート、その人にカードマジックを教えていた広和はそれだけの理由で出演、それは置いておいて、製作現場は順調に進みポスターのデザインが上がる頃、出資者が突然、出資はやめるから全額返してとなった。
その人は映画制作会社を自分の名義に書き換え制作費は自分が肩代わり、4/5年で返すからと言ってしまったらしい。実は謝楽祭のチラシを届けに行っただけなのだが、こんな衝撃的な事実を聞かされた。
その人は制作宣伝費、製作実費など完済、1億2千万ほど借金をしたが、金の問題だけなんだからと涼しい顔をしていて焼き肉を食べに行かないかと誘われた。あいにく夕飯を済ませたばかりだったので、焼き肉屋まで一緒に行き帰宅したが、なんとも腑に落ちない。
漢気=俠気=男気のもっとうは「みっともないことをしない」これがテーマ、そんな映画を作るのにみっともないことはできないと言っていた。
映画のタイトルは「浅草・筑波の喜久次郎」その人の漢気は心配で仕方がないのだが、映画の興行成績さえ良ければ1億円はあっと言う間に返せるらしい、恐るべし映画界。試写会を楽しみにしている。