「はなしか」写真展
- 2013.04.30 Tuesday
- 09:27
「あれから丸二年」ひとくちメモ〈立川談之助〉
東北の大震災から二年経ちました。お亡くなりになった方々には改めてご冥福をお祈り申し上げます。あの月のグリーンホール八起寄席は、計画停電と自粛ムードの影響で初めての中止となり、改めてあの地震の影響の大きさを考えさせられました。
あの地震の後、我々落語家をはじめ大勢の芸能人が義援金募集のチャリティ公演をやったり被災地でボランティア公演をやりましたが、未曾有の大災害に出会うと普段テレビやなんかで見ている顔とはずん違う面が出る人がおります。下品なネタでひんしゅくを買うことも多かったお笑いの江頭2:50 が、震災直後に自分でトラックを運転して買い集めた救援物資を被災地に届けたり、若くして有名になってチャラチャラしているように見られていたプロゴルファーの石川遼が、その年の試合の賞金すべて募金すると宣言して合計一億円以上を募金したりしています。生意気とか倣慢とか言われている長調剛や泉谷しげるは、真っ先にギター1本持って被災地を駆け巡って慰問コンサートをやりました。ドラマの悪役者やプロレスの悪役レスラーは、良い人が多いと言いますが、普段とやかく言われている人ほどいざとなると頼りになるもんですね。津波の被害に遭った宮城県の金華山が大好きだった師匠の談志が当時もし元気だったら、真っ先に駆け付けて落語会をやっていたことでしょう。
高給を取っている大リーガーといえども、イチロー(1億円)、松原・福留(8000万円、ドルなので円安だったら1億円以上)をぽんと出すといのはやっぱり凄いと思います。それに比べて、日本のプロ野球に所属している選手で一番義援金を出したのが、当時巨人に在籍していた外国人選手のラミレスだったのはちょっと情けない気もします。
外国からも多くの義援金が届きましたが、特筆すべきは日本が正式の国と認めていない台湾のテレビ局が、地震が起こってすぐに募金のためチャリティ番組を放送し、その月のうちに20億円もの義援金を贈ってきことでしょう。それに対し、毎年「○○時間テレピ』とか言って、チャリティを売り物にしてきた当の日本のテレビ局は、台湾のような国民的なチャリティ番組を一切やりませんでした。